サックスの始め方をわかりやすく解説!【初心者向け】
初めまして。
現在、某楽器屋さんでサックス講師をしてる”石橋”と申します。
このサイトでは、
- サックスが気になってる。
- サックスが吹けるようになりたい。
- どうやって始めればいいの?
という、まだサックスを持っていない方向けに、
サックスが吹けるようになるまでの手順と始め方を、わかりやすく解説していきます。
「わかりやすく」をモットーに書いていくので、是非参考に見ていってください。
サックスを始めるための流れ。
まず、サックスを始めるに当たっての全体の流れを紹介します。
全体的な流れはこんな感じ↓
という流れが一般的だと感じます。
それぞれのステップごとに解説していきます。
Step① サックスを選ぶ。
まずは、サックスを始めるので、サックスを選ぶ必要があります。。
サックスを選ぶ上で重要なポイントは3つです。
- 大きさ
- 価格
- メーカー
「え、そんなの、どれが良いのかわからないよ!」
という方も大丈夫。
僕のおすすめも書いていくので、そちらも参考にしつつ、ポイントだけ抑えておきましょう。
それぞれ紹介していきます。
⒈ 大きさ
サックスには、大きさが4種類あります。
左から、ソプラノ、アルト、テナー、バリトンという大きさです↓
ソプラノになるにつれ、音が高く、
バリトンになるにつれ、音が低くなります。
正直、サックスはどれも難易度は変わらないので、どれで始めても構いません。
しかし個人的に初心者の方は、アルトサックスがおすすめです。
というのも、アルトサックスは、
- 本体と周辺グッズの価格が安く
- 小型で軽くて練習がしやすく
- アルトサックス用の楽譜がたくさん出版されている
という理由があるからです。
一番低予算で始められ、たくさん曲を楽しめるので、コスパが良い!
他のサックスで始めても構いませんが、よほど強いこだわりがなければ、アルトサックスでスタートするのが良いでしょう。
⒉ 価格
サックスの価格はピンからキリまであります。
安いものは5万円から。
高いものは200万円まであります。
初心者の人におすすめなのは、15万円〜35万円くらいのサックスです。
(アルトの価格)
それよりも安いと、吹きにくくて壊れやすく、
それよりも高いと、性能を持て余す可能性があるからです。
なので、最初は15万〜35万円くらいの幅で見ておきましょう。
初心者におすすめのサックスは、このあと紹介しますね。
⒊ メーカー
サックスには、さまざまなメーカーがあります。
有名なものだと、
- ヤマハ
- セルマー
- ヤナギサワ
- キャノンボール
この4つが特に有名なメーカーです。
基本的にはこの4つのメーカーか、知っているメーカーで、信頼できるものを購入するようにしましょう。
通販の謎メーカーの激安サックスはダメ!
ちなみに、個人的に初心者におすすめのメーカーは「ヤマハ」です。
価格が安く、手に入りやすく、国内メーカーで信頼があり、アフターサポートもあるからです。
とくに、ヤマハの「280シリーズ」や、「62シリーズ」は品質が高く、コスパも良いです。
最初の1本だからこそ、信頼のあるメーカーのものを選ぶようにしましょう。
石橋が選ぶ、初心者におすすめのサックス。
僕が初心者におすすめするサックスは、以下の3つです。
- ヤマハ280シリーズ
- ヤマハ62シリーズ
- ヤナギサワWO-1シリーズ
この3つは、価格的にも性能的にも、初心者にピッタリだと思います。
それぞれ軽く紹介しますね。
ヤマハ280シリーズ
「とにかく安く、低予算で始めたい」
という方なら、ヤマハの280シリーズがおすすめです。
価格は、アルトで約15万円ほど。
現状の有名メーカーの中のサックスで、最も価格が安く、
ヤマハの最長5年サポートの対象楽器です。
音色は上位機種と比べると良くないですが、
- 吹きやすさ、
- 音程の取りやすさ、
- 構えやすさ、
など、サックスの基本の部分はしっかり作り込まれてます。
なので、サックス入門には十分な性能です。
最安値で始めたい場合は、ヤマハの280シリーズがおすすめです。
ヤマハ62シリーズ
「良い楽器で、長く続けたい」
という方におすすめなのが、ヤマハ62シリーズです。
価格は、アルトで35万円ほど。
- 音色、
- 吹き心地、
- 音程、
- 構えやすさ、
どのポイントも、価格に対してかなり高水準です。
(もちろん、ヤマハのアフターサポート対象楽器です)
初心者から上級者になるまで、これ一本でOKで、買い替えなどは不要です。
「良い楽器で長く吹きたい!」という方には、ヤマハの62シリーズがおすすめです。
ヤナギサワWO-1シリーズ
こちらも「良いものを長く使いたい!」という方におすすめの楽器です。
価格はアルトで35万円ほど。
ヤナギサワのサックスは、日本の職人さんが1本1本手作りしてるので、「品質が高い」と評判のサックスです。
その中でも、ヤナギサワのWO-1シリーズは「ライトモデル」と言い、
吹き心地が軽く設計されているサックスです。
なので、初心者でも軽く音が出しやすく、初めてのサックスにピッタリです。
ただし、生産本数が少ないのが難点で、なかなか楽器屋で見かけることができません。
とても品質が高く、コスパも良いので、見かけることができたら、是非おすすめしたい楽器です。
- ヤマハ280シリーズ
- ヤマハ62シリーズ
- ヤナギサワWO-1シリーズ
Step② 最低限の周辺グッズを買おう。
サックス本体以外にも、必要な周辺グッズがあります。
あると便利なものはたくさんありますが、今回は「絶対必要!」という、最低限のグッズだけ紹介します。
と言っても、絶対必要なグッズは2つ↓
- リード
- スワブ
これだけ。
それぞれ紹介しますね。
⒈ リード
リードは、サックスの吹き口に取り付ける、「葦」と言う植物でできた板のことです。
これがないと、サックスは音を鳴らすことができません。
また、リードは消耗品なため、1~2ヵ月で交換が必要です。
(練習頻度によるけど。)
なのでリードも、サックス購入時に余分に買っておくようにしましょう。
初心者おすすめリードはこちら↓
⒉ スワブ
スワブとは、サックスの管内を掃除するためのお手入れグッズです。
練習後は、スワブで管内の水分を拭きとっておかないと、カビが生える原因になります。
なので、スワブも必ず買っておきましょう。
アルト&テナー用スワブ↓
絶対必要ではないけど、あると便利なもの。
あとは、「絶対必要」というほどでもないけど、あると便利なものを何個か紹介しておきます。
ここで紹介するのは4つ↓
- 譜面台
- リードケース
- 電子チューナー&メトロノーム
- 初心者用の教本
これらは、後々必要になったら購入すれば良いと思います。
それぞれ軽くだけ紹介しておきます。
①譜面台
譜面台は、楽譜を立てるための台です。
練習するときに便利ですが、「本立て」でも代用ができますし、必需品というほどでもありません。
なので、自身の練習環境に応じて購入すると良いと思います。
②リードケース
リードケースは、リードを収納するためのケースです。
サックスを長く続けると、リードがどんどん溜まっていきます。
- どれが良いリードだったのか?
- どれが最近買ったリードだったのか?
- どれが古いリードなのか?
これらの管理がだんだん難しくなるため、リードケースがあると、それらの管理が楽になり、便利です。
サックスを始めた当初は必要ないと思いますが、リードが増えてきたら購入するのをおすすめします。
③電子チューナーメトロノーム
電子チューナーメトロノームは、その名の通り、チューナーとメトロノームが一体化したアイテムです。
正しい音程やテンポを確認することができ、練習の効率を上げます。
ですが、最近はスマホアプリでも代用ができてしまうため、必ずしも必要という物でもなくなってしまいました。
なのでこちらも、必要になったら購入するのが良いと思います。
④初心者用の教本
初心者用の教本も、絶対必要ではないですが、あると便利です。
「何から、どんなふうに練習すればいいのか」
その順序が分かりやすく書かれているので、練習がスムーズに進みます。
ただし、こちらもネットで調べれば代用できるものでもあります。
なので、「ネットで調べるのが面倒」と言う人だけ購入するのが良いと思います。
- 譜面台
- リードケース
- 電子チューナー&メトロノーム
- 初心者用の教本
Step③ 組み立てて、音を出そう。
必要なものが揃ったら、さっそく組み立てて音を出してみましょう。
このステップでは、
- サックスの組み立て方
- 音の出し方
- ドレミファソラシドの運指
この3つを紹介していきます。
⒈ サックスの組み立て方。
まず、サックスを組み立てましょう。
組み立てに必要なものはこちらです↓
- サックスの本体
- サックスのネック
- リード
- リガチャー
- マウスピース
- ストラップ
この6つがあったら組み立てができます。
(どれも本体購入時に付属してるものだとは思います)
確認できたら、組み立てていきましょう。
① まずはネックにマウスピースを差し込む。
まずは、ネックにマウスピースを差し込みましょう。
コルク部分に、マウスピースを軽く回しながら差し込んでいきます。
新しいサックスの場合、コルクが厚くて入りにくいことがあります。
その場合はコルク部分に「コルクグリス」を塗るか、日をかけて少しずつ深くまで差し込むのが良いと思います。
② マウスピースに、リードとリガチャーを取り付ける。
次は、マウスピースに「リード」と「リガチャー」を取り付けます。
リードの平らな面をマウスピースに当てて、リガチャーで固定します。
このとき注意することは、リードとマウスピースの先端を合わせることです。
リードの高さが合ってないと、音が出しにくくなります。
③ サックス本体に、ネックを差し込む。
①②で組み立てたネックを、サックス本体に差し込みましょう。
本体のネジを緩め、ネックの根本を持ち、軽い力で差し込みましょう。
このとき注意することは、必ずネックの根本を持って差し込むことです。
ネックの先端を持ちながら本体に差し込むと、ネックが曲がります。
必ずネックの根本を持って、本体に差し込みましょう。
ネックを本体に差し込み、ネジを閉めたら完成です。
④ ストラップを首にかけ、サックス本体に取り付ける。
本体が完成したら、ストラップを首にかけ、本体にストラップを取り付けましょう。
これでサックスが構えられるようになります。
⒉ 音の出し方。
ここからは、サックスの基本的な音の出し方を解説します。
① 下唇を巻いて、マウスピースの先端を咥える。
まずは、下唇を巻きます。
”巻く”というのは、下唇を下の歯の上に乗っけることです。
下唇を巻いたら、リードが下唇に当たるようにマウスピースを咥えます。
(上の歯は、マウスピースに直接触れて大丈夫です)
これで準備はOKです。
② 息を吹き込む。
あとは、息を吹き込むだけです。
たくさん息を吸って、思いっきり息を吹き込みましょう。
最初はとにかく思いっきり吹くことが重要です。
息が少ないと、リードが振動しません。
音が出たら成功です。
音が出なくても、何回かチャレンジして、頑張って音を出してみましょう。
「音の出し方」に関しては、こちらの記事でもっと詳しく解説しています↓
音がどうしても出ない場合は、参考に見てみてください。
⒊ ドレミファソラシドの運指。
音が出たら、「ドレミファソラシド」の運指にチャレンジしてみましょう。
指の簡単さ、音の出しやすさから考慮して、
「ドシラソファミレド」の順で書いていきます。
「ド」の指
左手の中指で、上から3つめの丸いボタンを押します。
これが、サックスの「ド」の運指です。
(アルトは実音E♭、テナーは実音B♭)
「シ」の指
左手の人差し指で、上から1つ目の丸いボタンを押します。
これが、サックスの「シ」の指です。
「ラ」の指
左手の人差し指と中指で、上から1つ目と3つ目の丸いボタンを押さえます。
これが、「ラ」の指です。
「ソ」の指
左手の人差し指・中指・薬指で、
上から1・3・4つ目の丸いボタンを押さえます。
これが「ソ」の指です。
「ファ」の指
左手は「ソ」の指にしたまま、
右手の人差し指で、上から5つ目の丸いボタンを押さえます。
これが「ファ」の指です。
「ミ」の指
左手は「ソ」の指にしたまま、
右手の人差し指と中指で、上から5つ目と6つ目の丸いボタンを押さえます。
これが「ミ」の指です。
「レ」の指
左手は「ソ」の指にしたまま、
右手の人差し指・中指・薬指で、上から5・6・7つ目の丸いボタンを押さえます。
これが「レ」の指です。
低い「ド」の指
一つ前の「レ」の指にしたまま、
右手の小指で、1番下にあるボタンを押さえます。
これが、低い「ド」の指です。
注意点としては、
右手の小指の部分には2つボタンがありますが、上のキーを押さないように注意してください。
必ず1番の下のキーを押さえるように注意です。
低い音は、口を少し緩めると出やすい。
ファ・ミ・レ・ドあたりの低い音は、初心者の場合、高い音にひっくり返りやすいです。
そんなときは、マウスピースを少しゆるく咥えて息を吹き込むと、出しやすくなります。
サックスは正しい運指でも、同時にマウスピースを咥える力を調節しないと、正しい音程が鳴りません。
基本的には、
- 低い音を出すときは少しゆるく
- 高い音を出すときは少し締めて
このような口の締め具合の微調整が必要です。
「オクターブキー」も覚えよう。
サックスを構えた時に、左手の親指の部分にあるキーのことを「オクターブキー」と言います。
この「オクターブキー」を押しながら、「ドレミファソラシド」を吹くと、
全ての音が1オクターブ高く出ます。
「ドレミファソラシド」を覚えるついでに、「オクターブキー」も覚えてしまいましょう。
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Step④ 簡単な曲にチャレンジしよう。
音の出し方、ドレミファソラシドの運指がわかったら、簡単な曲にチャレンジしてみましょう。
ここでは、初心者が吹く定番曲「オーラ・リー」を紹介します。
簡単な楽譜と、模範演奏を載せておきますので、
是非チャレンジしてみてください。
オーラ・リー
サックス初心者がチャレンジする定番曲です。
ゆっくりのテンポで、音数も少ないので、初心者にはうってつけの曲になります。
まずは1段目に挑戦。
初心者はオーラリーの1段目を吹けるのを目標にすると良いと思います。
(3段吹くのは、長いし難しいですから)
ここで出てくる音符は、5つだけです。
- レ(オクターブキーを押したレ)
- ド
- シ
- ラ
- ソ
まずは、この5つを覚えるように、練習してみましょう。
「レラレー」が難しい。
オーラ・リーの難しいところは、「レラレー」の動きです。
オクターブキー(左手の親指)を押した「高いレ」と、オクターブキーを押さない「ラ」を行き来するので、初心者には指が複雑です。
スムーズに吹けるように、ここだけ抜粋してよく練習しましょう。
練習して、少しずつ上達していこう!
あとは、練習あるのみです!
たくさん練習して、少しずつ上達していきましょう。
初心者がするべき練習や、サックスのコツに関しては、このサイトでたくさん紹介してるので、ぜひ参考にしてみてください。
よくある質問。
- Q:何歳から何歳までできるの?
-
A:小学2年生(7歳)くらい〜90歳くらいまで吹けます。
実は、サックスは音を出すことはそこまで難しくありません。
他の管楽器と比べても、難易度は低めです。
なので、幅広い年齢の方に親しまれてます。
僕の生徒さんにも、一番小さくて小学3年生の子が。
一番年上で、84歳のおじいちゃんが、散歩とボケ防止のついでにレッスンに毎週来てました。
始める年齢はそこまで考えなくても大丈夫です。
詳しくはこちら【Q&A】「サックスを始める年齢は、何歳から何歳まで可能?」→答えます。
- Q:一曲吹けるまでに、どれくらい時間がかかるの?
-
A:音楽未経験なら、だいたい1年くらい。
「今まで、全く音楽に触れたことない」
という方なら、最初の1曲は1年くらいかかると思います。
というのも最初の1年は
- 音を出すこと、
- 運指を覚えること、
- 楽譜を読むこと、
で精一杯だからです。
曲の難易度や練習頻度にもよりますが、最初の1年は「基礎」をやりつつ、1年目でようやく曲が吹けるようになった人が多い印象です。
詳しくはこちら【サックス】初心者はどれくらいで1曲吹けるようになるのか?
- Q:練習場所はどうしてるの?
-
A:カラオケ、レンタルスタジオ、公民館、車の中、防音グッズを使って練習。
練習場所は一番困りますが、僕の生徒さんだと「カラオケ」や「レンタルスタジオ」が多いです。
僕が勤めてる「島村楽器」の生徒さんだと、30分330円で防音室をレンタルできます。
カラオケだと「まねきねこ」が破格で、午前中は1時間20円+ドリンク代で済んだりします。
僕が学生時代によく利用してました。
あとはサックスの音を小さくする「防音グッズ」もあるので、家で練習してる人もいます↓
あわせて読みたいサックスの始め方をわかりやすく解説!【初心者向け】
おまけ:レッスンします。
現在、僕は「島村楽器」でサックス講師として働いています。
この5つの店舗で勤務してるので、お近くの方は是非いらっしゃってください。
サックスに関する相談や質問を募集してます。
サックスに関する相談・質問は、いつでも募集しています。
この記事の下の「コメント欄」に書いても良いですし、
僕のツイッター(X)かYouTubeにコメントを書きこんでもらってもOKです。
是非お気軽にコメントしてください。
今回は以上になります。
終わり!