【サックス】音大生時代にしていた練習内容を紹介。
こんにちは、サックス講師の石橋と申します。
今回は、僕が音大生時代にやっていた練習について話していきたいと思います。
「音大生=楽器が上手い」みたいな印象はありますが、なんでそうなか?
音大生は、どのくらい、どんな練習をしていたのか?
今回は僕の体験談を書いていきます。
音大生の練習について気になっている方、ぜひ参考に見ていってください。
【サックス】音大生時代にしていた練習メニューを紹介。
①音階練習(10~30分)
音階練習は、必ず毎日やりました。
というのも、音階はすべての音楽の基礎だからです。
譜読みが早くなるし、指も早く回るようになります。
よくやっていたのは、須川展也さんの「サクソフォーンのためのトレーニングブック」です↓
とくに、この教本の最後のページ長調・短調の合計24個の音階は、必ず毎日練習してました。
少しずつリズムを変えて練習したり、タンギングも加えて練習してました。
②エチュード(練習曲)の練習(1~2時間)
サックス用に書かれたエチュード(練習曲)も毎日練習してました。
エチュードには、サックスの苦手な動きを”わざと”多く盛り込んであったり、段階的に難しくなっていくため、基礎の向上につながりました。
エチュードの中でも、主に練習してたのは「フェルリング/48の練習曲」ですね。
このエチュードは、多くの音大入試の課題になってるエチュードで、とても難易度が高く、音大に入学してからも練習し続けてました。
他にも、
- ラクール/50の優しい段階的な練習曲
- クローゼ/サクソフォンのための日課練習曲
- ベルビギエ/サクソフォンのための18の練習曲
などなど、定番どころのエチュードも一通り練習してました。
エチュードを練習していたおかげで、譜読みや指回しが早くなり、サックスの奏法の基礎も固まった気がします。
③曲の練習(1~4時間)
音階とエチュードを練習したら、「曲」を練習します。
主に練習してたのは試験で発表する曲ですね。
僕の通ってた国立音大では、前期と後期で年に2回、サックスのプロの先生全員の前で演奏を披露する試験がありました。
この試験によって演奏能力を評価され、成績や順位も決まるので、かなり力を入れて練習していました。
練習していた曲は、サックスのクラシック曲です。
- イベール/コンチェルティーノ・ダ・カメラ
- グラズノフ/サクソフォン協奏曲
- クレストン/ソナタ
- デザンクロ/プレリュード、カデンツァとフィナーレ
などなど。。
これらの曲は、指やリズムが難しいのはもちろん、
表現・音楽性も大事でした。
そんな難曲を、毎日最低1時間。
多いときは4~7時間、ずっと練習してました。
毎週レッスンがあったので、レッスンで見せるためにも「曲」は毎日練習せざるを得なかったですね。。
④奏法の見直しと改善(練習中ずっと)
練習中は、ずっと奏法の見直しと改善をしてました。
曲を練習してると、何度やっても上手くできない「壁」がでてきます。
- 息が続かなかったり、
- 指が上手く回らなかったり、
- 音が汚くなったり。。。
そのような壁を突破するためには、気合で何回も練習するよりも、根本的な奏法の見直しが必要でした。
- 指のフォームを変えたり、
- 息の入れ方や身体の使い方を変えたり、
- マウスピースの咥え方を変えてみたり、
- 口や喉の広さを変えて吹いてみたり、
- 教本に載ってないような運指で吹いてみたり、
奏法を試行錯誤することによって、一時的に下手になることもありましたが、そのおかげで、できなかったことができるようになったり、以前よりも楽にサックスを奏でることができるようになりました。
もちろん、奏法を崩しすぎて失敗したこともたくさんありました。
⑤できないテクニックの練習(30分~1時間)
自分ができないor苦手なテクニックも、毎日少しずつ練習してました。
例えば、「フラジオ」や「スラップタンギング」などの特殊奏法ですね。
特殊奏法なんて普通の曲では使わないですが、プロを目指してる身として「特殊奏法ができない」は済まされませんでした。
僕は「スラップタンギング」が特に苦手でしたが、何週間もコツコツ練習してたら、いつのまにかできるようになってました。
その経験から、今でも新しいテクニックからはなるべく逃げないで、挑戦し続けています。
⑥プロの演奏を聞く(1~2時間)
通学中や、昼食中、ちょっとした休憩の時間では、プロの演奏の音源を聞いてました。
これは、単純に音楽を聴くのが好きだったのもありますが、プロの演奏を聴くことは、とても良い勉強になったからです。
- 美しい音色、
- 細かい音のニュアンス、
- ビブラートをかけるタイミングと速さ、
- 音程のコントロール、
- 演奏中のパッション、
などなど、、。
プロの音源を聞いてると、言葉を介さずとも、学べるところがたくさんありました。
「あ!この音はビブラートかけるとカッコいいんだ!」
みたいな発見がたくさんあった。
なので、サックスを吹けない時間はたくさん音源を聞いてました。
⑦図書館で調べもの(30分~1時間)
時間があるときは、大学内の図書館に行って、調べものをしてました。
国立音大には大きな図書館があり、奏法や作曲者、音楽史についての資料はすべて無料で見ることができました。
できないことがあったり、わからないことがあったときは、図書館で資料を調べれば、何かしら解決の糸口が見えました。
なので、練習に行き詰まったらとりあえず図書館に逃げ込んでましたね。
これに関しては、かなり環境が恵まれていたと思います。
有料級の情報を、無料で大量に読むことができました。
【まとめ】とんでもない練習量だったなぁ。
音大生時代の練習内容をざっと書いてみましたが、、
「とんでもない練習量だったなぁ」と今は思います。。。
当時はそんなに気合を入れて練習してるつもりはありませんでしたが、サックスの練習以外にすることが無かったので、練習に打ち込みやすい環境だったんですね。
そりゃぁ、人に教えられる程度にはサックスは上手くなりますね。。。
音大生の練習に興味があった人の参考になれば幸いです。
終わり。